PSoC 4200 Prototyping Kit の開発環境を1から構築する

PSoC 4200 Prototyping Kit(CY8CKIT-049-42XX)はPSoCの中でも非常に安価な開発ボードで、秋月電子通商など秋葉原の実店舗をはじめとした様々なパーツ屋で数百円程度で購入できます。そんなPSoCの開発環境を構築する際、少しだけハマったのでメモです。
クリーンインストール直後のWindows10機を対象にしています。

(この記事は、夏コミで頒布した単著同人誌"DIVAアーケードコントローラの創りかた"から一部を抜粋し再構成したものです)
pol.booth.pm

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PSoCの開発環境としては基本的に純正のIDEであるPSoC Creatorを使う形になります。そこからさらに、今回使うボード用のドライバやサンプルプロジェクトなども一緒にインストールします。
なお、インストールの際、 .NET Framework 3.5とVisual C++ 2008 再頒布可能パッケージがそれぞれ必要になります。これらのインストールを先に済ませておきましょう。

.NET Framework 3.5は、「Windowsの機能の有効化または無効化」から「.NET Framework 3.5 (略」を選択してOKを押し、手順に従ってしばらく待ちます。
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Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージは以下からインストールします。
Download Microsoft Visual C++ 2008 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ MFC のセキュリティ更新プログラム from Official Microsoft Download Center
vcredist_x86.exeのみのダウンロード・インストールでOKです。
なお、ちょっとしたハマりポイントとして、以下のURLなどからインストールできるパッケージをインストールしても意味がありません!
Download Microsoft Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージ (x86) from Official Microsoft Download Center
しかも「Microsoft VC++ 2008 Redistributable」などのいかにもな語でググるとこれがトップに来ます(「VC++ 2008 MFC」でググってみたら正しい方のリンクが2番目に来ました)。同じ年代のパッケージでもバージョンが違うためこういった事が起こるのですが、かなり罠ですね……

さて、実際にソースコードを書くIDEである『PSoC Creator』、このボードに必要なデバイスドライバである『USB-Serial Software Development Kit』、サンプルファイルを含む『CY8CKIT-049-42xx Kit Only (Kit Design Files, Documentation, Examples)』をそれぞれダウンロード・インストールします。ただし、それらのインストールの前に、まずはCypress社のユーザーアカウント登録を済ませておくことをおすすめします。

最初にPSoC Creatorのインストールです。
PSoC® Creator™ Integrated Design Environment (IDE)
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Installation TypeはTypicalのままで大丈夫です。このまま手順に従って、ライセンス契約に同意し、インストールしましょう。
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インストール終盤、ユーザー情報を求められますが「Continue Without Contact Information」にチェックを入れればそのままインストールを完了することができます。
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PSoC Creatorインストール終了後の初回起動時にCypressのアカウント情報を求められます。こっちは入力したほうが良さげ?(別にRegister Laterしてもいいと思いますが)
初回起動がうまくいったら、下記2つのインストールが完了するまでPSoC Creatorを終了しておきましょう。

次はUSB-Serial Software Development Kitです。
USB-Serial Software Development Kit
ページ下の関連ファイル群からUSBSerialSDKSetup.exeをダウンロードします。
ここで以下のような画面が出て次に進めない場合、Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージのインストール失敗、もしくはバージョン選択をミスしてる場合があります。
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なおこの時ブラウザで次のようなページが自動で表示されたりしますが、
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「Download」を押してもリンク切れです。うーん……
逆に、
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この画面まで進んだらそのまま進めてインストール完了です。

最後に、CY8CKIT-049-42xx Kit Only (Kit Design Files, Documentation, Examples)です。
PSoC® 4 CY8CKIT-049 4xxx Prototyping Kits
ページ下の関連ファイル群からCY8CKIT-049-42xx Kit Only (Kit Design Files, Documentation, Examples) をダウンロードします。
なお、先程のUSB-Serial Software Development Kitのときもそうなのですが、このファイルのダウンロード時下のようにAkamai NetSession Interfaceというダウンロード支援ツールのインストールを促されます。これはポップアップウィンドウ風の通知右上の「×」を押してから"If you prefer, you may bypass the download manager here."よりツールのインストールを介さず直接ファイルのダウンロードをすることも可能です。
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お疲れ様でした。プログラミングにおける最大の難関って環境構築ですよね。