LIFEBOOK U9310/Eを今から使う

LIFEBOOK U9310/Eのジャンクを落札しました。税込送料込1.5万弱でした。持ち運ぶサブ機なので、軽いこと・壊しても惜しくないことが重要です。

U9310/E (FMVU32017)

jp.fujitsu.com

仕様チェック

LIFEBOOK Uシリーズは、富士通の法人向けノートパソコンです。特にU9......で始まるシリーズは「ウルトラ・スリムモバイル」シリーズとされ、特に軽量なモデルがラインナップされています。

バレルコネクタ、TB3×2、HDMI、USB、イヤホン
nanoSIM、SDXC、USB、LAN(使用時はコネクタを引っ張り出す)、Kensington

主な仕様は、

  • CPU: Core i5-10310U (Comet Lake, 4C8T, 1.7GHz-4.4GHz)
  • RAM: DDR3 8GB (オンボード, 空0)
  • SSD: 128GB NVMe (交換可)
  • ディスプレイ: 13.3インチFHD ノングレア
  • 重量: 918g

という感じ。
さらにさらに!なんとWindows Hello対応IRカメラや指紋認証、さらにはWWANもついているようです。
指紋認証は出品時の写真でわかっていましたが、顔認証やWWANまでは想定していなかったので嬉しい誤算。早速SIMカードを刺してみました。(さすがにeSIMには非対応です)

ポヴォ

このシリーズのLIFEBOOKのバッテリーは25Whと50Whの2種類が用意されていて、外観からは違いがわかりません。この個体は50Whバッテリーが搭載されていました。後からわかったことですが、型番がU9310"/E"の場合は必ず50Whのようです。
付属するACアダプタは、昔ながらの5.5mm/2.5mmのバレルコネクタ、19V3.42Aです。この手の完全に枯れたACアダプタで充電できるのは安心感があります。ちなみにこのU9310より1世代新しいU9311からはバレルコネクタは廃止されていて、Type-C充電専用になっています。もちろんU9310でType-C充電ができないというわけではなく、実際に45W(20V 2.25A)のUSB PDアダプタを使用して充電ができています。低速ですが5V 1.5Aでも充電できるそうです(!!)。

キーボードを直す

実はこの個体、出品時は「外観破損あり」となっており、出品時の画像からもキーキャップが1つ(「←」キーが)欠落しているのが分かりました。ジャンクって感じがあってとてもいいですね。
実は数ヶ月前、秋葉原でまさにLIFEBOOK向けのキーボード(ただしQWERTZ配列?とЙЦУКЕН配列?)を購入していたのでした。店先でこれを見つけたときは何か工作に使えそうだと思って衝動買いしていたのですが、結局放置していたものでした。このキーキャップを使います。

何度キーキャップを紛失しても大丈夫

キーキャップの取り外しは隙間からヘラを突っ込みゆっくりと持ち上げる。逆に取り付けるときは真上からゆっくりとまっすぐ押し込むだけ。サクッと交換完了です。日本語キーボードと比べるとPgUpなどの表記がありませんが、実用上は問題ありません。
LIFEBOOKのキーボード、ストロークも深めだし結構打ちやすくてお気に入りです。

ドライバ・ソフトはネットで公開されているもので事足りる

落札時点でSSDにインストールされていたのは素のWindows 10でしたが、気持ちの問題としてなんとなく不安だったので、新しくWindows 11をインストールすることにしました。
いつも通りにMicrosoft公式からisoファイルをダウンロードし、いつも通りにクリーンインストールします。そして富士通公式からダウンロードしておいたドライバやユーティリティをインストールしていきます。

ユーティリティ

マスタ作成に必要なストア アプリのダウンロード一覧(機種別) - FMWORLD(法人):富士通

全部インストールする必要は無いと思いますが、最低限

  • BayHub OZ621/OZ777 メモリーカードドライバー (標準ドライバだとSDカードを刺した瞬間BSoDになる!)
  • Sierra Wireless EM7430 WWAN Driver + Firmware Updater
  • NEXT Biometrics 指紋センサードライバー
  • バッテリーユーティリティ(80%で充電停止させて少しでもバッテリー寿命を延ばす。この個体は落札時充電サイクル108でした)
  • 静音ユーティリティ(ファン回転数の上限設定)
  • USB Type-C 充電・給電ユーティリティ(Type-Cコネクタの充電/給電を手動で切り替えることができていざという時便利)

あたりはインストールしておいていいと思います。
なお、ユーティリティ類については各ダウンロードファイル内のREADME内の案内に沿ってWindowsストア経由でインストールしました。
実はまだこの時点でドライバがインストールされていないデバイス(デバイスマネージャーで「!」がついているデバイス)が多数ありますが、Windows Updateの「詳細オプション」→「オプションの更新プログラム」に列挙されているリストにすべてチェックを入れて「ダウンロードとインストール」し再起動、を複数回根気よく繰り返す(これが重要)ことですべてのドライバがインストールされました。

最初はこんなだったが
これを何度も繰り返す

そりゃ難点もある

さて、いろいろセットアップを済ませて現在は実際に外用マシンとして使っているのですが、やはりどうしても気になる点はあります。
まず本体から耳に聞こえるノイズが多少出ている点。負荷に応じて音が出るので多分コンデンサが鳴いてると思うのですが、謎です。静かめの2.5インチHDDのアクセス音くらいの音がします。ファンがうるさければかき消される程度ではあります。
ベンチスコアも控えめです。純正ACアダプタ使用、ファン「通常モード」、電源モード「最適なパフォーマンス」、気温17℃でCINEBENCH R20で1100pts程度。同世代であるi5-10210Uを含めて他機種のベンチスコアを探すと1300~1400以上を記録しています。10世代当時の発熱は軽量ノートのファンでは荷が重い感じでしょうか。とはいえ文字書きしている程度ならファンは回転すらしませんし、外で3Dゲームしながら仮想マシン立ち上げながらChromeのタブ100個開く予定はないので、この程度でも外用としては十分です。
スピーカーがビビりまくります。聞かなかったことにします。

......と、どれも致命的なものではないので、特に気にしないものとします。

分解

激安ジャンクなので躊躇なく分解します。

プラスネジ数本で裏蓋が外せます。シートで隠れていますがCPUとバッテリーの間にはType2280のSSD
キーボード、タッチパッド、バッテリーコネクタ(右端にちょっとだけ)
ディスプレイ、電源コネクタ等
ファン、WWAN、WLAN
秋月グリスを塗りなおすもベンチスコアは変わらず(左のチップは冷却必要ないそうです(?))

はい

非常に安価で意外と使えるジャンクノートを入手することができました。
これからよろしくお願いします。