コミケに初サークル参加! 収支を含むいろんな数字を公開します

C94お疲れ様でした!


8月10日~12日に開催されたコミックマーケット94。今回は3日目(日曜日)の異常な混雑具合などが話題になりましたが、私はこの1日目(金曜日)に初めてサークル参加しました。一般(出展をしない側として)参加をしたことは数回ありましたが、出展する側は初です。
前回2017年暮れの冬コミのときから本を出したいという思いはなんとなくあったのですが、試しに申し込みしてみたところなんと当選。実際に本を作ることが決定したのです。

どういうサークル/本?

アーケードゲーム初音ミク Project DIVA Ardade Future Tone』と同じようなインターフェースを持つコントローラ(タッチセンサを含む)を、そのPS4移植版でも遊べるように回路とマイコン(Pro Micro・PSoC4)で設計・自作するための解説本です。
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早い話が、昨年のアドベントカレンダーで出したこの動画をさらに詳しく説明した本、ということになります。

コミケのジャンル名としては、C94のジャンルコード213「同人ソフト」(ジャンル補足・自主製作ハードウェア)にあたります。ただ、300「ゲーム(その他)」(音ゲー)や212「デジタル(その他)」(VOCALOID(本))にするかはかなり迷いました。
サークル名は「ぽる研」、私一人によるサークルです。(実際のコントローラの製作から)本の執筆、そして入稿まで基本的にすべて一人で行いました。
本の物理的な仕様はB5、表紙カラー標準コート+クリアPP加工・本文モノクロ白上質90k・平とじ・表紙含め70ページ。
印刷製本はポプルスに依頼しました。
www.popls.co.jp
「快速本」での入稿のため、(同日締切で)7月24日に予約。(8月1日締切で)7月31日に入稿しました。
しかし、なんと入稿直前になって入稿しようとしたデータが原稿規定に沿っていないことが発覚。しかしポプルスさんのご厚意により今回だけはそのまま入稿させていただけることに。本当に感謝しています😇
なお、裏表紙にはISDNによるバーコードを表記しました。ISDNとはISBNの同人誌向けパロディです。これを申請し実際に表記したことで、一気に本っぽい感じになりました。
isdn.jp
当日、書籍と同内容(画像はカラー)のPDFダウンロードコードを印刷した小さい紙を1冊1冊に貼り付けました。ダウンロードコードの作成には対面電書を利用させていただきました。
taimen.jp

かかった時間

本文の執筆だけでなく、図の作成などの間もWordは開いていましたので、ここでWordのプロパティを確認したところ......
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LaTeXやいい感じのマークアップ言語で長文を書ける自信はなかったので、最初からWordで書いていきました。結果としてこういう生々しい数字が簡単に見られるわけですが、時間をかけすぎました。正直な話、締切日が迫ってきた頃の一番の心配ごとは、黒字か赤字かなんてことではなく睡眠時間による健康への影響でした。
表紙のデザイン・作成は半日程度だったと思います。

当日のレポート

当日は、私と売り子の @Magnezone462 で参加しました。割り当てられたスペースは、1日目西も38a。西1、壁サークルと道を挟んで反対側の島中ブースです。た
実際に製作したコントローラと試し読み用サンプルを机の上に置き、テーブルの前にA2サイズのお品書き兼ポスターを貼りました。サンプルのすぐ手前にも値札を置きました。ちなみに、ポスターの上部にでかでかとサークルスペース名を書いたことについて見本誌回収に来たスタッフさんから「ありがたいです」との声をいただいたりしました。


10時5分の時点で2冊捌けるなど当初は思ってもいなかったスタート。その後も、twitterで交流のある方や、差し入れをくださる方、ISDNの中の人、早い時期からコントローラを自作していたがアーケードにタッチセンサが追加実装されたときに諦めてしまった(のでこの本を求めてきた!)方などなど様々な方がスペースに来てくださって、非常に楽しい時間となりました。多くの方がタッチセンサを実装したことについて驚いているようでした。
道路を挟んで反対側の壁サークルに(元)ボカロPの方がいらっしゃったこともあるのか、ボーカロイド島からは多少離れているスペースでしたがそこそこそちらのクラスタの方をお見かけすることがありました。そういった方々には実働するコントローラがかなり目を引いたのではと思っています。あまり大きな声で宣伝は行いませんでしたが、技術畑な感じの方には「タッチセンサを作ってみませんか?」、ボカロ畑な感じの方には「自宅でDIVAやりたくないですか?」といった感じで軽く声掛けはしました。
来てくださった方の中には「普段は技術系の島には来ないんですが」とおっしゃる方もいて、実はかなりいいスペースをもらったのでは? とか思ってます。
結果として14時8分に全数頒布終了してしまいました。その後閉会の16時まで何人もの方が来てくださいましたが、大変申し訳ないことに新刊を配ることはできませんでした。

数字を公開します

お気に入り数の推移と頒布詳細の決定

初サークル参加ということで何冊頒布するかというのを非常に悩んだので、比較的信頼できる情報源らしいcircle.msのお気に入り数を監視するbotを作りました。
コミケwebカタログのお気に入り登録数を監視するbot - ぽるとふぉりお

日付 人数
2018/6/8 (当選)
2018/6/19 4
2018/6/23 5
2018/6/26 6
2018/6/27 7
2018/6/29 8
2018/7/20 9
2018/7/21 10
2018/7/23 11
2018/7/30 12
2018/8/3 13
2018/8/4 14
2018/8/6 16
2018/8/8 19
2018/8/9 22
2018/8/10 26
2018/8/12 27

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印刷予約締切の7月24日時点ではお気に入り数は11人。しかしこの時点では人数の予測を出来るほどいい感じのグラフにはならなかったので(何のためにpythonを勉強したんだ……)、
・全数残ってもギリギリ持ち帰ることができそう
・半分配れば印刷費は回収できそう
といったことを考え、頒布価格1000円として50部刷ることに。初サークル参加としては正直かなりの挑戦だと思っていました。

かかった費用
参加申込書セット 1000円
参加費 8000 書類による申し込み
印刷費+送料 21600 ありがとうポプルスさん
カタログ 2500 紙。必須ではないが一応費用として…
交通費 2000 おおよその値
35100
当日の頒布状況
コミケへの見本誌提出 1冊 0円
サンプル用 1 0 これのみ手元に残った
他サークル挨拶用 3 0
10時台 20 20000 開場5分で既に2冊
11時台 9 9000
12時台 18 18000
13時台 2 2000 13:11に頒布終了…と思いきや13:58に3冊荷物に埋もれていたのが出てきたので再開、実質頒布時間は13分
14時台 2 2000 14:08に今度こそ終了
56 51000 予備6部を含む

なお、万札の方が1名、500円玉x2の方が3名。

つまり、
51000円の売上
15900円の黒字
となりました(!!)

コミケにサークル参加するということ

実は中高生のころから部活の部誌に寄稿は行っていたのですが、こうして自分が書いた文章だけでまるまる1冊本を作り実際に頒布するというのは初めてで、非常にいい経験になりました。黒字になったことなどよりも、本を作ったという経験そのものがこれからは自分に対する自信になりそうです。自己肯定です。
しかしサークル参加は一般参加とは桁違いに大変でした。やること多すぎ。ただこういう思いをして参加しているサークルが年に2回、3万以上あるわけで……すごすぎます。

増刷します

14時頃の頒布終了からも多くの方がサークルに来てくださいました。またコミケ開催前から通販などしてほしいという声も多く頂いていました。そういった方々の声を踏まえ、若干数ですが増刷・再販することにしました!
pol.booth.pm

コミケ当日に頒布したような書籍+PDFダウンロードコードだけでなく、価格を抑えたPDFオンリー版も出す予定です。
こちらでの頒布価格は書籍+PDFが1080円(+送料)、PDFは700円の予定です。(早く発注しないと……)