超歌舞伎「積思花顔競」を見た(両面透過ディスプレイとか生で歌舞伎を見る意味とか)

超歌舞伎とは、毎年この時期に行われる「ニコニコ超会議」内で行われる歌舞伎の現代風アレンジです。今年で3回目なのですが私はこれが初参加。ラガードかよという感じですが。
1日2公演ありますが、初回は無料席の2階、2回目は有料のアリーナ席(前から9列目!!)で鑑賞。

見るだけなら超会議入場料のみ、アリーナ席でも4000円というチケット価格、ちょっと安すぎですね...

「両面透過型多層空中像表示装置」って何だ

アリーナ席の最後方(チケット見せる前の場所なので有料席券持ってなくても見られます)に展示されていたものです。これと同じ仕組みのものが動くのを演目中に見られます。

複数のモニタに対してミラーの再帰反射による光路長差を制御することで、ミクに加え、2層の背景を含めた「3層」の空中像を、「両面から」同時に視聴できる「両面透過型多層空中像表示装置」技術を開発しました。

この技術を用いて、ミクが透過ボードの外で演じることが可能となり、今回ミクが山車に乗って舞台を練り歩くという、新しい演出をご提供します。

超歌舞伎公式サイト ニコニコ超会議2018

写真ではわかりにくいのですが、初音ミク自身(前面背面)とは別に桜吹雪の舞う背景の映像があり、それが実際にミクとは別の奥行きの地点に投影されているかのように見えます。どうなってんの...?
このデモ装置では、ミクの(本来の)映像は装置の下、桜吹雪の映像は装置の上にそれぞれ水平に表示されており、それらを2枚のハーフミラーで前後に反射させているという感じです。ミクからハーフミラーの距離に対して桜吹雪からハーフミラーの距離のほうが少し長く(恐らく...?)、それによって映像の奥行き感が表現されているということだと思います。まだいまいちちゃんとした仕組みを理解してないのですが...
ともあれ正直このデモだけでも実際に見てみるとすごく面白いです。超会議のどの展示よりもこれを見た瞬間が一番面白かったような。

生で歌舞伎を見るということ

前回前々回と様子を映像では見たことがあったのですが、生で超歌舞伎を見るのは初めて。これは映像では体験できない世界ですね。
この超歌舞伎ではほとんどの音がPAを通した音ではありますが、ひとり部屋で四角いディスプレイに写った映像を見るのと前後左右観客と舞台に囲まれるのを体感するのは全く違います。舞台の振動が腹に来る! 中村獅童さんと目が合う(気がする...)! 隣の人が大向うのタイミングをミスする! 音楽の世界では数年間言われてきたような「モノがコピーできる時代はライブの体験が価値になる」といったことを改めて肌で感じたのでした。

明日無料席で超歌舞伎を見るときは

2~3階自由席の前方は避けるべきです! 舞台に奥行きがあるため斜めからの鑑賞だとかなり見切れます。後方でもいいのでとにかく正面を狙うべし。